ワイヤー矯正にはどのような種類がある?それぞれの特徴を解説!
こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。
ワイヤー矯正であっても目立たず治療したいと思う方は多いです。一般的に知られる歯の表側に装置を取り付ける表側矯正の他にも、ワイヤー矯正には種類があることをご存じでしょうか。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを知り、自分にあったワイヤー矯正の方法を選ぶとよいでしょう。
この記事では、ワイヤー矯正の概要と種類、それぞれの特徴について解説していきます。
ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、そこにワイヤーを通すことで歯に力を加える矯正方法です。ワイヤーの締め具合を調整することで動かしたい方向に力を与え、徐々に歯を移動させます。
ワイヤー矯正は100年以上の歴史を持つ矯正方法であり、適応症例の幅が広い点が特徴です。歯並びの状態に合わせて細かな調整が可能であることと、歯の移動速度が早いことがメリットでしょう。
デメリットとしては、調整後数日は痛みを感じることや、装置が目立つこと、歯磨きがしにくいことが挙げられます。
最近は目立ちにくいマウスピースでの矯正が注目されていますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ワイヤー矯正にも目立ちにくい装置があるため、自分のニーズを満たせる治療方法を選択しましょう。
ワイヤー矯正の種類
ワイヤー矯正には、表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正の3種類の方法があります。矯正装置を取り付ける位置によって分けられています。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、理解したうえで選択することが重要です。 表側矯正(唇側矯正)
表側矯正は、最も一般的なワイヤー矯正の方法です。歯の表側(唇側)にブラケットとワイヤーを装着します。
適応症例が最も多く、色々な歯並びに対応することができます。後述する裏側矯正は舌に装置があたって発音に影響が出ることがありますが、表側矯正は発音に影響がないといわれています。
また、表側矯正の費用の目安は60〜120万円と、他の2種類の方法と比べて安い点がメリットです。
デメリットとしては、装置が目立ちやすいことが挙げられます。装置の色を変更することで多少目立たなくすることはできますが、完全に隠すことは難しいでしょう。さらに表側矯正は、装置の厚みで口が閉じにくくなったり、口元の突出感が気になったりすることがあります。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着する方法です。他人から装置が見えにくく目立たないため、他の人に矯正していることを知られたくないという心理的な負担を軽減することができます。
また歯の裏側は表側に比べて唾液の循環が良いことから、裏側矯正はむし歯になりにくいとされています。
裏側矯正の費用の目安は100〜180万円で高額になる点がデメリットです。また、舌に装置が触れるので発音しづらいと感じる方もいます。発音のしづらさは徐々に改善されるため過度に心配する必要はありませんが、人と話す機会が多い方は注意しましょう。
裏側矯正は、担当する歯科医師の高度な技術と知識が必要な矯正方法です。対応できる歯科医師も限られるため、希望する場合は事前にクリニックに確認しましょう。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯を裏側矯正、下の歯を表側矯正で治療する矯正方法です。「矯正装置をできるだけ目立たせたくないけど、裏側矯正は費用が高い」と考える方は、ハーフリンガル矯正を検討するとよいでしょう。
笑ったときや話すときに下の歯があまり見えない方の場合、ハーフリンガル矯正は表側矯正より装置が目立ちにくいです。また、ハーフリンガル矯正の費用の目安は80〜130万円で、上下どちらも裏側矯正をする場合に比べて安くなります。
ブラケットとワイヤーの種類
ワイヤー矯正は装置が目立つと感じる方が多いですが、実際に矯正治療で使用するブラケットとワイヤーには様々な種類があります。従来の金属製の装置から、目立ちにくい透明な装置まで選択することができるため、矯正中も目立ちにくくすることが可能です。
ここでは、ブラケットとワイヤーの種類について解説していきます。
ブラケットの種類
ブラケットの種類は、主に以下の4つです。
- メタルブラケット
- セラミックブラケット
- プラスチックブラケット
- ジルコニアブラケット
それぞれの色や強度・耐久性など、特徴について順に解説していきます。
メタルブラケット
メタルブラケットは金属でできたブラケットで、強度と耐久性に優れています。歯にしっかりと力を加えられるので、メタルブラケットは長年使用されてきました。他のブラケットと比べて費用が安いことも、メタルブラケットのメリットの一つです。
しかし、金属なので見た目に影響が出やすく、敬遠されることもあります。また、金属アレルギーがある方は使用できないため注意しましょう。
セラミックブラケット
セラミックブラケットは、歯に近い色と透明感をもつ、セラミック素材を使ったブラケットです。メタルブラケットに比べて、歯に装着しても目立ちにくいでしょう。
飲食による着色にも強く、メタルブラケットと変わらない強度と耐久性があるものもあります。
費用が高額になる点がデメリットでしょう。強い衝撃が加わると破損する可能性もあるため、注意が必要です。
プラスチックブラケット
プラスチックブラケットは、透明〜半透明の素材を使用したブラケットです。セラミックブラケットと同様に目立ちにくく、口内への刺激が少ない素材でできています。
メタルブラケットと比べて強度や耐久性は低く、コーヒーやワインなどで着色する可能性がある点がデメリットです。また、メタルブラケットよりも摩擦が大きく、歯の移動に時間がかかるため矯正期間が長引くケースがあるでしょう。
費用はセラミックやジルコニアブラケットに比べて安いことが多いです。
ジルコニアブラケット
ジルコニアはセラミックの一種ですが、特に強度が高いです。ジルコニアブラケットは、メタルブラケットと同等の強度・耐久性を持つ素材でできたブラケットです。
セラミックブラケットと同様に着色しにくく、歯に近い色と透明感があり、目立ちにくい点も特徴です。矯正による強い力にも耐えられるので、メタルブラケットと同等の治療効果が期待できるでしょう。
デメリットとしては、費用が高額な点が挙げられます。
ワイヤーの種類
矯正で使用するワイヤーは、材質や断面の形・太さが異なるものを状況に合わせて変えていきます。
ワイヤーの材質
使用するワイヤーの材質は、矯正の段階によって異なります。
治療初期はニッケルチタンワイヤーという、弾性があり形状を記憶しやすいワイヤーを使用します。中期には、大きく歯を動かすために、耐久性がありある程度の硬さがあるステンレススチールワイヤーを使用します。
矯正治療の後期には、細かい位置調整を行う必要があります。ニッケルチタンワイヤーとステンレスワイヤーの中間程度の硬さと弾性を持つベータチタンワイヤーを使用することが多いでしょう。
ワイヤーの断面の形と太さ
ワイヤーの断面の形には丸形と四角形があります。断面が四角形のほうが、歯に密着するので摩擦が少なく、固定力が高いため強い力で歯を動かすことが可能です。
治療初期には丸形の細いワイヤーから使用し、段階的にワイヤーを太くするのが一般的です。途中から断面が四角形のワイヤーに変更し、歯にしっかりと力をかけていきます。
ワイヤーの色
ワイヤーの色で最も一般的なものは、銀色です。実際に口の中に装着すると、想像以上に目立つので嫌だと感じる方は少なくありません。
そこで使用するのがホワイトワイヤーです。ホワイトワイヤーにはメッキワイヤーを樹脂素材で白くコーティングしたものと、ロジウムという白い金属でコーティングしたものが使用されます。
樹脂素材で白くコーティングしたワイヤーは見た目が良く目立ちにくいのですが、歯磨きなどの刺激でコーティングが剥がれることがあるので注意しましょう。ロジウムは白銀色なので樹脂コーティングよりは目立ちますが、剥がれにくく色が長持ちする点がメリットです。
ホワイトワイヤーは、メタルワイヤーよりも高額なケースが多いです。
まとめ
今回は、ワイヤー矯正の種類とそれぞれの特徴について解説しました。ワイヤー矯正は目立つという印象を持つ方は多いです。
しかし、最近ではワイヤー矯正の治療方法が増え、目立ちにくい方法が出てきています。ワイヤー矯正は治療実績が多く、幅広い症例に対応できる優れた矯正方法と言えるでしょう。
目立ちにくい矯正方法を選ぶ、ブラケットやワイヤーの色を変えるなどすれば、見た目を気にせず矯正治療を受けられるかもしれません。
ワイヤー矯正を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。