歯周病はどうやって治療する?治療法を徹底解説!
こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。
歯と健康には密接な関係があると言われています。健康には食事が欠かせませんが、歯が痛むと食事を楽しむことができないということからも、歯と健康の関連は実感できるのではないでしょうか。
しかし、75歳以上では、自分の歯を半数近く失っているのが現状です。
成人になって歯を失う理由でもっとも多いのは歯周病です。高齢化社会の今、高齢者になっても歯周病を防ぎ、自分の歯を少しでも多く残すことは喫緊の課題といえます。
今回は、歯周病の概要と治療法、予防する方法について詳しく解説します。
歯周病とは?
歯周病とは、歯茎が細菌感染を起こし炎症している状態、歯を支える骨が溶け始めている状態のことを指します。歯茎で炎症が留まっている状態を歯肉炎、骨が溶け始めた状態を歯周炎といい、これらをまとめて歯周病と呼びます。
歯周病の原因
歯ブラシで取り切れなかった歯垢(プラーク)は、歯だけでなく歯と歯茎の隙間にも溜まっていきます。歯垢の中には1グラムにつき10億個以上もの細菌が生息しており、甘いものなどをエサに活動します。
免疫の状態や細菌の毒素によって、歯肉が腫れるなどの炎症が起こることで歯周病を発症します。そのため、日々蓄積していく歯垢が歯周病の直接的な原因と言えます。
また、歯垢以外にも歯周病にとっての危険因子があります。中でも代表的なのは喫煙で、喫煙している限りどんなに治療しても歯周病は進行します。
その他、肥満、食生活、ストレスや不規則な生活、ホルモンバランス、歯ぎしり、口呼吸、古くなっている歯の詰め物なども、歯周病の原因になります。
歯周病の人の割合
大人が歯を失う原因の中でもっとも多い理由は歯周病ですが、どれくらいの人が歯周病に罹患しているのでしょうか。
厚生労働省が令和4年におこなった調査によると、歯周ポケットの深さが4mm以上、すなわち歯科医院で歯周病と診断される割合は全世代の47.9%。2人に1人の割合で歯周病と診断されています。その割合は年齢が上がるほど増えていきます。また、歯周病は初期段階では自覚症状がないため実際はもっと多くの患者さんがいる可能性もあります。
参照元:医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室「歯周病罹患の現状と対策について」
歯周病と健康の関係
歯周病が健康と密接に関係しているのは、食事の面だけではありません。歯周病菌の毒素は口腔内にとどまらず、全身に影響を与えると考えられているのです。
具体的には、糖尿病、呼吸器系疾患、心疾患、慢性腎臓病、骨粗鬆症、がん、早産にも関連があります。特に、糖尿病と歯周病には互いに深い関係があります。糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病治療を行うと糖尿病の症状が改善されるなど、関係が認められています。
歯周病を放置するリスク
多くの人が罹患している歯周病ですが、放置していても治ることはありません。そのまま放置していると、歯茎の炎症のみだった症状が、歯茎からの出血や排膿、口臭の発生など悪化し始めます。
次に歯が長くなったと感じたり、冷たいものがしみたりするようになります。それでも放置していると歯を支えている骨である歯槽骨や、歯根膜などが破壊されていきます。顎の骨の破壊が進むと歯に揺れが生じ、最終的には骨の支えがなくなって歯が抜け落ちます。
歯周病は治せる?
歯周病は自然に治ることはありませんが、適切なケアと治療を行えば改善できる可能性が高いです。炎症が歯茎で止まっている段階であれば完治も望めるでしょう。
炎症が骨まで達している場合は、自己ケアと治療をおこなっても完治は難しく、進行を止めることが治療の目的になります。完治できなくても、進行を止めることで歯を失うリスクを提言できます。
日々のセルフケアに加えて、歯科医院での徹底的なメンテナンスが重要です。
歯周病はどうやって治療する?
歯周病治療は、徹底的な検査から始まります。検査結果から、歯石除去、噛み合わせの調整などの基本治療、ホームケアの指導をおこないます。それでも改善が見られない、もしくは検査で重度と診断された場合は、外科治療を行います。
歯周病検査
検査方法はいくつかありますので、それぞれ解説します。
プロービング検査
目盛のついたプローブと呼ばれる器具で、歯と歯茎の間(歯周ポケット)の深さを測ります。健康な状態であれば、歯周ポケットは1〜2ミリです。4ミリ以降は歯周病と判断されます。重度になると、10ミリ以上の深さが見られる場合もあります。
レントゲン検査
歯槽骨が溶け始めていると疑われる場合は、レントゲンによる検査で歯槽骨の状態も調べます。歯周病が進行している場合、歯槽骨が8割ほど溶かされていることもあります。
歯石の除去
歯石は、磨き残しである歯垢が唾液の成分と結びついて固まったものです。表面がざらざらしているので汚れが付着しやすく、細菌が繁殖して歯周病を悪化させます。また、歯ブラシで除去することはできません。
歯科医院では、専用の器具を使用して歯石を徹底的に除去します。軽度の歯周病であれば、歯石の除去とセルフケアの見直しで症状が改善されることもあるでしょう。
ブラッシング指導
歯周病になっている場合、口内に磨き残しが発生している可能性が高いです。歯科医院で治療しても、日常のケアが不十分であれば歯周病は改善されません。
患者さまの磨き方の癖や口内の状態を把握し、適切なブラッシング方法を指導します。
外科的治療
歯石が歯の根元、歯周ポケットの内部まで付着している場合、通常の歯石除去では十分に清掃できません。この場合、歯茎を切開して歯石を除去します。麻酔を使用するので、処置中に痛みを感じることはないでしょう。
歯周病が重症化しており歯を残せないと判断された場合は、抜歯します。
メンテナンス
歯周病は再発しやすい疾患であり、溶けた骨は元には戻りません。これまで以上症状が進行しないように、治療が一通り終わった後もメンテナンスが必要です。
メンテナンスでは、治療後に新たに付着した歯石を除去するなど、歯周病が再発・悪化しないように対応します。
歯周病を予防する方法も確認!
歯周病を予防するためには、歯科でのクリーニングだけでは十分ではありません。毎日しっかりセルフケアすることが大切です。
特に、睡眠中は唾液の分泌量が減ることから、日中以上に細菌が繁殖しやすくなります。寝る前は徹底的にケアするようにしましょう。
歯ブラシ以外のアイテムも使用する
毎日のセルフケアは、歯ブラシでの清掃だけでは十分ではありません。歯と歯の間には歯間ブラシやデンタルフロス、奥歯の裏や歯並びの悪いところにはタフトブラシなどを併用して、しっかりと歯垢を落としましょう。
また、口腔洗浄液で口腔内を清潔に保つことも有効です。歯ぎしりや食いしばりで歯に強い負担がかかっている場合は、就寝中にマウスピースをつけてガードする方法もあります。
間食などのルールを決める
歯周病の原因は歯垢以外に生活習慣にもありますので、生活習慣の改善も重要です。免疫力が低下すると歯周病を発症しやすくなるため、バランスの良い食事や質の高い睡眠を取るように心がけましょう。
喫煙をやめることも、歯周病の予防になります。また、糖分の多いものは歯周病菌のエサになりますので、間食は時間を決める、回数を減らすことも重要です。
まとめ
歯周病は、一度発症してしまうと完治の難しい疾患です。
しかし、程度は違っても多くの人が抱えている国民病とも言えます。定期的な検査に加えて、日々のセルフケアを徹底し、いつまでも自分の歯で美味しい食事を楽しめるようにしましょう。
歯周病治療を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。
当院では、成人の矯正のみならず小児の矯正にも力を入れています。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、予防歯科なども実施しています。当院の診療案内ページはこちら、WEB予約も24時間受け付けておりますので、ぜひご覧ください。