インビザラインのマウスピースが浮いたままではいけない?原因と対処法も
こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。

インビザラインで矯正治療をしていると「マウスピースがきちんとはまらない」「浮いている気がする」と感じることもあるでしょう。フィットしない状態で放置すると、治療の妨げになる可能性があります。
この記事では、インビザラインのマウスピースが浮く原因や、そのまま使い続けるリスクについて解説します。フィットしないときの対処法についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインのマウスピースが浮く原因

ここでは、マウスピースが浮く主な理由について解説します。
交換直後である
インビザラインでは、少しずつ形の異なるマウスピースを順番に装着し、0.2〜0.25mmずつ歯を移動させます。新しいマウスピースに変えた直後は、現在の歯の位置と最大で0.25mm程度ずれている状態のため、浮きやすくなるのです。
歯は徐々に動くため、2〜3日程度装着しているとなじんできます。3日以上経っても違和感がなくならない場合や、痛みがある場合は、マウスピース自体に問題がある可能性もあるため歯科医師に相談しましょう。
マウスピースの装着時間が足りていない
インビザラインでは、1日20時間以上の装着が必要です。「食後に歯磨きするのを忘れていた」「外食したために歯磨きできなかった」などの理由で指示通りに装着できていないと、歯の移動が滞る場合があります。歯並びとのずれが大きく、マウスピースが浮くのです。
また、装着を忘れて長時間外していると、歯が元の位置に戻る後戻りが起こり、装置が合わなくなるケースもあります。
自己判断で進めた
指示よりも早めに交換したり順番を飛ばしたり、自己判断で進めるのもマウスピースが浮く理由のひとつです。インビザラインは、これまでに治療を受けた多くの患者さまのデータから、歯の移動を精密に計算したうえで作製されています。
勝手に治療を進めると、歯の移動が追いつかず、マウスピースが浮きやすくなるのです。治療を早く進めたくても、自己判断で交換するのは控えましょう。
マウスピースが変形・破損している
マウスピースの変形や破損も、歯や歯茎から浮く理由です。熱湯で洗ったり高温になる場所に置き忘れたりして変形したトラブルが多いです。また、落としたマウスピースを踏んだり、スポーツの際に強く噛み締めたりして割れるケースもあるでしょう。
見た目に問題がなくても、装着時の違和感が強い場合は変形や破損の恐れがあるため、歯科医師に見てもらう必要があります。
虫歯や詰め物の影響で歯の形が変わった
虫歯治療で詰め物や被せ物を行って歯の高さや形が変わるのも、マウスピースが合わなくなる原因です。矯正治療中はマウスピースの内側で細菌が繁殖しやすくなります。虫歯にならないよう、食事のたびに丁寧に歯磨きすることが大切です。
インビザラインのマウスピースが浮いたままではいけない理由

マウスピースが合わない状態で放置すると、さまざまなトラブルや治療の遅れにつながりかねません。ここでは、マウスピースが浮いたままではいけない理由について解説します。
治療期間が延びる可能性がある
インビザラインは歯の動きを綿密にシミュレーションして作られており、順番に装着しながら歯並びを整えます。そのため、歯になじんでいない状態で使うと、歯に十分な力がかかりません。歯が計画通りに動かず、治療期間が長引くことにつながります。
さらに、マウスピースが合わない状態を放置すると、歯が元の位置に戻る後戻りが起こります。歯並びが悪化して作り直しが必要になると、2〜4週間程度かかる場合もあるのです。
歯並びや噛み合わせに悪影響を与える
マウスピースを浮いたままにすると、歯に不適切な力がかかり、歯並びや噛み合わせが乱れる可能性があります。上下が正しく噛み合わなくなることで、前歯がすれ違って噛みにくくなったり、奥歯だけで強く噛んで偏りが出たりします。
噛み合わせがずれると、顎関節や咀嚼筋に負担がかかり、顎関節症や頭痛、肩こりなどを引き起こす恐れもあります。
マウスピースが割れる恐れがある
歯や歯茎から浮いたままにすると、一部に過剰な力がかかって割れる恐れがあります。壊れたマウスピースでは歯に力をかけられないため、使用を中断せざるを得ません。作り直すのには2〜4週間程度がかかることが多く、治療スケジュールにも影響を与える場合があります。
目立った破損がなくても、小さなヒビから徐々に亀裂が広がったり、口腔内でマウスピースが歯茎や粘膜を刺激して炎症や口内炎を引き起こしたりする可能性もあります。トラブルを防ぐためにも、マウスピースがきちんとフィットしているか定期的に確認することが大切です。
治療のやり直しが必要になることもある
マウスピースが浮いたまま治療を続けると、歯が正しい位置に動かず、最終的に理想的な歯並びに仕上がらない場合があります。一度治療を中断して、改めて治療計画を立て直すことになりかねません。
治療のやり直しには、新たな歯型のスキャン、マウスピースの作り直しの費用、通院の手間など、時間的にも経済的にも負担がかかります。治療が長くなると、患者さまのモチベーションにも影響するでしょう。
インビザラインのマウスピースが浮くときの対処方法

ここでは、マウスピースが浮くときの具体的な対処方法について解説します。
装着時間を確保する
インビザラインでは、1日20時間以上の装着が必要です。装着時間が不足すると歯の移動が進まず、マウスピースが浮きやすくなります。
装着時間を確保するためには、食後すぐに歯磨きをして再装着する習慣をつけましょう。また、スマートフォンのリマインダーやタイマーを使ったり、家族に声をかけてもらったりしてつけ忘れを防ぐ方法もあります。
外出先にも歯磨きセットと保管ケースを持ち歩き、いつでも再装着できるように備えておきましょう。
チューイーを使う
マウスピースの浮きを防ぐためには、チューイーを使ってしっかりと歯にはめこむことが大切です。チューイーとは、シリコンでできた補助具です。2〜3分ほど噛むと、マウスピースの密着性が高まります。
新しいマウスピースに変えた直後や、フィットしていないと感じる場合は、普段より長めに10分程度噛むと、安定感が得られます。
鏡を見ながら、しっかりとはまっているかチェックすることも大切です。左右の奥歯と前歯がぴったり合っているか、マウスピースの端が浮いていないかを目視で確認しましょう。
無理に次のマウスピースに進まない
装着中のマウスピースが浮いているにもかかわらず、自己判断で次のマウスピースに進むのは危険です。歯の移動が追いついていない状態で新しいマウスピースをつけると、さらに合わなくなり、治療計画が狂う場合があります。
また「早く終わらせたい」と自己判断でマウスピースの順番を飛ばしたり、早めに交換したりするのも治療に悪影響を与えかねません。
装着時間の見直しやチューイーの使用で改善できる場合もありますが、指示された装着期間を延長して様子を見ることもあります。違和感が強い場合は、歯科医師に相談しましょう。
変形や破損があれば再作製を依頼する
マウスピースの変形や破損によって歯や歯茎から浮く場合は、作り直さなければなりません。熱湯での洗浄や、直射日光の当たる場所や高温の車内での放置、踏みつけなどのトラブルがある場合、変形やヒビ割れが起こっている場合があります。
歯に正しく適合しなくなり、治療効果に影響を与えかねません。目立った破損がない場合でも、装着時に違和感がある場合はすぐに歯科医院へ相談しましょう。
破損や変形が起こらないよう、取り扱いや保管には十分注意し、専用のケースに入れて清潔に保つことが大切です。
早めに歯科医院を受診する
マウスピースが浮いたまま長期間放置すると、治療の進行に支障をきたすだけでなく、噛み合わせや歯の移動に悪影響を及ぼす可能性があります。「チューイーを使ってもフィットしない」「装着時に痛みがある」と感じる場合は、早めに歯科医院を受診することが大切です。
現在の歯の動きやマウスピースの状態をチェックし、必要に応じて治療計画の見直しや新しいマウスピースの作り直しなどを行います。早めに対応すれば、トラブルを最小限に抑えられるでしょう。
まとめ

インビザラインでの矯正治療中に、長時間外していたり、適切に装着できていなかったりすると、マウスピースが浮きやすくなります。そのままにすると、歯並びや噛み合わせへの悪影響のほか、治療期間の延長につながりかねません。
違和感が強い場合は、早めに歯科医師に相談することが大切です。
インビザライン矯正を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。
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