子どもの出っ歯は放置してはいけない?リスクと矯正方法

2025年12月05日(金)

こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。

出っ歯が気になって口元を押さえる子供

子どもの出っ歯は、見た目だけの問題だと思っている方も多いのではないでしょうか。見た目の問題だけではなく、口腔機能の発達や今後の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があることを理解しておく必要があるでしょう。

しかし、子どもの歯並びは成長に伴って変化するため、いつから矯正を始めるべきなのか判断が難しいという声も少なくありません。

この記事では、子どもの出っ歯を放置するリスクや矯正方法、そして矯正を始める適切な時期について、わかりやすく解説します。お子さまの健康な口元を守る第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。

出っ歯とは

出っ歯とはどんな歯並びか考える親子

出っ歯とは、上の前歯が下の前歯よりも大きく前方に突出している状態を指し、医学的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれます。歯自体が傾いて前に出ているケースもあれば、上顎の骨が前に出ていたり、下顎の成長が不十分で相対的に上顎が突出して見えているケースもあります。

見た目の印象だけではなく、食事や会話、あごや顔全体の発育に影響を与えることもあるため、注意が必要です。特に子どもの場合は、成長に伴って症状が悪化することもあるため、不安な場合は早めに歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

子どもが出っ歯になる原因

母親に抱っこされながら指しゃぶりする子供

子どもが出っ歯になる原因はひとつではなく、遺伝や生活習慣、成長過程での癖など、さまざまな要素が重なって起こります。以下に、子どもが出っ歯になる主な原因を解説します。

遺伝的な要因

親が出っ歯だから出っ歯になる、というわけではありませんが、出っ歯になりやすい特徴が遺伝することがあります。例えば、顎のサイズに対して上の前歯が大きい、上顎と下顎のバランスが乱れているなどの特徴が引き継がれると、お子さまが出っ歯になる可能性があります。

生活習慣や癖

お口の周りには多くの筋肉があり、お口を開けたり、閉じたり、ものを噛んだり、発音したりする際に重要な役割を果たしています。お口周りの筋肉が正しく機能しない場合、出っ歯になる可能性があるので注意が必要です。

例えば、舌で前歯を押す癖や、口で呼吸する癖などがあると、出っ歯の原因になることがあります。お子さまの場合は、指しゃぶりの習慣が長く続くことで出っ歯になるケースもあります。

前歯に継続的に力がかかる癖があると、前歯が押し出されて出っ歯になる可能性があるのです。

出っ歯を放置するリスク

出っ歯を放置するリスクのイメージ

では、子どもの出っ歯を放置するとどのようなリスクがあるのでしょうか。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

出っ歯によって口を閉じにくくなると、口呼吸が習慣化します。これによって口腔内が乾燥すると、細菌が繁殖しやすい環境になり、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

とくに、お子さまは補食が必要なことも多く、食事回数が増えやすいので虫歯のリスクが高いです。歯並びの乱れもあると、さらに虫歯のリスクが高まってしまうかもしれません。

発音や会話に影響を及ぼす

前歯が前方に突出していると、舌の位置が正しく維持できず、空気の流れが不安定になります。そのため、サ行やタ行の発音が難しくなることが多いです。乳歯から永久歯へ生え変わる時期に出っ歯の状態が続くと、正しい発音を習得できなくなる可能性もあるでしょう。

外傷のリスクが高まる

前歯突出していると、転倒時やスポーツ中に前歯をぶつけ、歯が折れたり欠けたりするリスクが高まります。子どもは活発に動き回るため、このリスクは大人よりも顕著といえるでしょう。

見た目のコンプレックスにつながる

歯並びや噛み合わせは、顔の印象にも大きく影響します。出っ歯の場合、特に横顔の印象に影響を及ぼすでしょう。横顔が不格好で笑顔に自信が持てないなど、精神的なストレスを抱えるケースも少なくありません。

子どものうちにこのようなコンプレックスが積み重なると、心理的な成長や対人関係にも影響を与える可能性があります。

子どもの出っ歯を矯正する方法

歯列矯正の模型や装置と器具

出っ歯を矯正する方法は、症状や年齢、あごの発育状況によって異なります。小児期の矯正には、一期治療と二期治療の2つがあります。

1期治療

1期治療は、主に6歳から12歳頃の乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行われます。この時期は顎の骨が柔軟で成長が活発なため、骨格の発育を誘導して整った歯並びの土台を作ることを目的とします。

1期治療で出っ歯の矯正に使用される装置は、以下のとおりです。

急速拡大装置

急速拡大装置とは、上顎の成長を促す装置です。固定式で、歯列の幅を広げることで出っ歯を改善したり、噛み合わせを整えたりします。ネジを回すことで装置を拡大し、少しずつ顎の幅を広げる仕組みとなっており、治療期間は約3か月です。

ヘッドギア

ヘッドギアとは、顎の成長を抑制しながら、歯並びを調整する装置です。上顎の過剰な成長を抑え、奥歯を後方に移動させることを目指します。1日10~12時間以上装着する必要があるので、日中数時間と就寝中に使用するよう指示されるのが一般的です。

機能的装置

機能的装置は、あごの成長を利用して上下の顎のバランスを整える装置です。上下の顎の成長バランスを整えると、出っ歯の改善にもつながります。

2期治療

2期治療は、永久歯が生えそろった11〜15歳頃に行う矯正治療で、実際に歯を移動させて歯並びを調整する治療です。主な治療方法は、以下のとおりです。

マウスピース矯正

マウスピース矯正では、透明なマウスピースを使用して歯並びを整えます。装置が目立ちにくいことから、小児矯正だけでなく成人矯正でも人気の治療法です。

マウスピースは食事や歯磨きの際に取り外せるため、ふだんどおりに食事でき、口内を清潔に保ちやすいこともメリットです。

一方で、装着時間を守らなければ効果を発揮できません。マウスピースの装着時間は1日20〜22時間以上必要とされています。装着時間が不足すれば、歯並びが改善されない可能性があるでしょう。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットと呼ばれる部品を接着し、そこにワイヤーを通して力をかけて歯を移動させます。歯1本1本に矯正力をかけることができるため、細かい動きにも対応可能です。

デメリットとして目立ちやすいことが挙げられますが、近年では歯の裏側に装置を取り付ける裏側矯正も可能です。

子どもが出っ歯になるのを予防するには

歯科検診を受ける子供

「できれば出っ歯を予防していきたい」と考えている方は多いでしょう。ここでは、子どもが出っ歯になるのを予防する方法をご紹介します。

生活習慣を見直す

柔らかい食べ物ばかりの食生活や、口呼吸が続くと、歯並びやあごの発育に悪影響が及びます。日常的な食事の内容を意識し、咀嚼回数を増やすことが、歯列の健全な発育を助けるでしょう。

また、口周りの筋力を鍛えるために、舌を上顎につける癖や口を閉じる習慣を身につけることも大切です。

歯並びに影響を及ぼす癖を改善する

子どもの出っ歯の原因となる指しゃぶりや爪噛み、舌で前歯を押す癖などは、早めに改善することが大切です。出っ歯を予防するためにも、これらの癖が続かないように習慣を見直すことが求められます。

舌の癖については、正しい舌の使い方を意識するトレーニングを行うと改善が期待できるでしょう。口周りの癖を改善するためのトレーニングは、歯科医院で受けられます。

定期的に歯科検診を受ける

出っ歯の予防において、もっとも重要なのが定期的な歯科検診です。初期段階での異常の兆候を見逃さず、適切なタイミングで対応することで、将来的に必要となる矯正の規模や期間を大幅に軽減できる可能性があります。

歯科検診では、歯並びや噛み合わせの状態を確認するだけでなく、虫歯や歯肉炎の有無、口腔内の衛生状態全般をチェックします。また、成長に伴う顎の発達や乳歯の抜け替わり状況なども踏まえ、将来的な歯列の問題を予測することが可能です。

3ヶ月から6ヶ月に一度を目安に、定期的に受診するようにしましょう。

まとめ

母親のお料理を手伝う子供

子どもの出っ歯は、見た目だけではなく、発音や噛み合わせ、口呼吸、成長への影響など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。原因は遺伝だけではなく、指しゃぶりや舌の癖などの生活習慣も関係しており、予防や改善が可能なケースも多くあります。

子どもの出っ歯の治療を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では、成人の矯正のみならず小児の矯正にも力を入れています。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、予防歯科なども実施しています。

当院の診療案内ページはこちらWEB予約も24時間受け付けております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

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